探偵興信所の探偵調査に係る契約の解約に関する紛争

探偵事務所・興信所などの探偵・調査業に各種調査を依頼してからトラブルとなり、国民生活センターへ相談しているケースがあります。 ここでは、過去の「探偵調査に係る契約の解約に関する紛争」を抜粋してご紹介します。

【事案1】探偵調査に係る契約の解約に関する紛争(9)

1.事案の概要

<申請人の主張>

平成25年3月に、架空請求業者A社(以下、「A社」という。)に約200万円をだまし取られる詐欺被害にあった。 だまし取られたお金をA社から取り戻せないかと思い、インターネットを閲覧したところ「詐欺被害金は取り戻せる」という探偵業者である相手方(注) のホームページを見つけた。
相手方に電話で問い合わせ、A社の詐欺にあった経緯などを説明したところ、「取り戻せなくなるので警察にはまだ相談しないでください」「全額取り戻す気持ちが大切です」「全力でサポートします」「通知を送れば8割~9割の方が取り戻せます」「全額取り戻せます」「調査費用はA社に支払わせることができます」「早ければ半月、遅くとも3カ月程で取り戻せます」「今であれば、相手の特定が可能」「通知さえ送れば、あとはこちらでやっていきます」などと説明された。相手方の指示に従い、複数の消費者金融から借金して、契約代金約72万円5,000円を準備した。 その後、郵送で相手方と調査委任契約書を交わし、3月25日、約72万5,000円を相手方に振り込んだ。
契約締結後、相手方に状況を尋ねても「順調です」「進展があれば連絡します」としか答えなかった。 3月25日から4月2日までの調査委任契約の最終報告日になっても、報告が無く、予定より2週間遅れて調査報告書が届いた。しかし、調査報告書の内容は、A社の信用調査のみで、「A社は架空の会社である可能性が高い」「A社は株式会社を名乗りながらも、法人登記はされていない」「現金の発送先は特定できなかった」という報告であった。
契約締結前に説明された内容と調査報告書の結果に大きな違いがあり、納得できなかったため、相手方に既払金の返還を求めたが、応じてもらえなかった。 契約を取り消し、既払金約72万5,000円を返金して欲しい。

(注)〇〇〇〇〇〇〇〇綜合調査 所在地:東京都新宿区

<相手方の対応>

和解の仲介の手続により解決を図る意思がある。 申請人が主張するような「全額取り戻せます」等の説明はしておらず、調査委任契約書に基づいて適正に業務を行っているため、申請人の請求は認められない。 当社においては「代金支払についての問題」の解決を図る等の業務は行っていない。 当社は、調査委任契約に基づいて、聞き込み、張り込み、尾行、その他これらに類似する方法にて適切な調査を行った。 調査報告に関しては、収集した情報を、随時、申請人に口頭で報告していた。調査委任契約に反することは行っていない。 調査委任契約に基づき、既に契約の範囲内での業務は完了しているので、返金には応じられない。また、契約後の説明に関しては申請人が主張するような説明を一切していない。 そのため、申請人の請求には応じられない。当社は、探偵業法、その他の法律に基づき、適正に業務を行っている。 当社の仕組みについて理解を求め、納得の上、円満に解決を図りたい。

2.手続の経過と結果

第1回期日において、申請人から契約締結時の相手方の説明内容及び契約締結後の相手方とのやり取りについて確認した。 申請人は、だまし取られたお金をA社から取り戻したいと考え、A社からお金を送付するように指示された住所地をインターネット検索したところ、相手方のサイトを見つけたとのことであった。契約締結前に、相手方担当者と電話で話した際、相手方がA社と返金交渉することはできないと聞いていたが、「A社に対する通知書の送り先は特定できる、通知書さえ A社に送ればあとはやっていきます」と相手方担当者が言っていたため、アフターフォローとして返金されるところまで相手方がやってくれると思ったとのことであった。契約代金については約72万5,000円で高額と感じていたが、相手方から「調査費用はA社に支払わせることができます」と聞いたため、相手方の指示に従い、複数の消費者金融から借金して、契約代金を支払ったと説明した。しかし、相手方の調査報告書によると、A社の所在が確定できなかったということで、契約締結前に相手方から聞いていた印象と大きく違っており、調査報告予定日を2週間も遅れて調査報告書が届いたため、契約代金全額の返金を求めたいと考えたとのことであった。 また、探偵業法では、調査委任契約書を交わす前に、重要事項説明書を交付して説明しなければならないと規定されているが、それがなされていないとの主張もあった。
一方、相手方から、契約締結時の説明内容及び解決案について確認した。 相手方は、「通知を送れば 8割~9割の方が取り戻せます」という断定的な説明はしない方針であり、消費者金融からの借り入れを指示していないと説明した。相手方に調査内容を確認したところ、最初に申請人から電話があった際、初動調査として、A社の電話番号が使用されているか、商業登記されているか、相手方の過去の相談受付のデータベースにA社の所在地の情報はないかの調査を行い、調査委任契約後は、A社の契約書記載の住所において相手方の社員2人で20時間の聞き込みや張り込みを行ったり、インターネットで調査したと説明した。
仲介委員より、相手方に対して、相手方のインターネットサイトでは、アフターフォローとして「専属の行政書士、司法書士、弁護士をご紹介して最善の対応策を構築」との説明はあるものの、黄色文字で「詐欺被害解決!」や「返金事例多数!」等の記載があり、相手方が詐欺会社に対して返金請求を行い、取り立てを代行してもらえると申請人が誤解した可能性がある、申請人に対して、契約締結前に重要事項説明書を交付して契約内容を十分に理解させる必要があるところ、重要事項説明書を契約書と一緒に送付し、入金もそれ以前になされており、このような点からみても相手方に落ち度があると指摘した。
これに対して、相手方は、インターネットサイトの表現は適切でなければ改善しようと考えるが、来月までには事業を終了する予定で、申請人から依頼を受けて実際に調査も行っているので、返金は考えられないと主張した。 また、最終の調査報告書が遅れた点について、相手方は、申請人にはその都度口頭で報告しており、書類をまとめて申請人に送付したのが遅くなっただけなので、調査結果の報告が遅れたとは認識していないとのことであった。
相手方は、探偵業法上の届出を代表者の個人で届け出ていたため、第2回期日までに代表者と相談の上、解決案を提案するように要請した。 後日、相手方から、現在、事業を終了する手続を進めている最中であり、資金面の問題で、調査に実費経費もかかっていることから、契約金額の1割を返金することで和解したいとの回答があった。
第2回期日において、相手方の回答を申請人に伝えたところ、申請人は、A社の被害について警察に被害届を出しており、警察に捜査の状況を聞いたところ、相手方から報告されたA社の情報に誤りがあったことも分かり、相手方の提案では和解する意思がなく、最低でも契約金額の7割を返還して欲しいと回答した。
相手方に対して、申請人の回答を伝えたところ、代表者と相談の上決定するが、本手続で解決できず訴訟に発展することは避けたいものの、仮に契約金額全額を返金するという内容で和解しても、2カ月ほど営業をしておらず事務所の家賃や従業員の給与も遅配している状況のため、和解内容を履行することはできないことから、最大限の努力をして契約金額の3割の返金で解決したいとのことであった。当事者が希望する解決案に乖離かいりがあるため、第3回期日に相手方の代表者に出席を要請し、解決案を提案することとした。 後日、相手方より、契約金額の4割を毎月2万~3万円の分割で返金するとの解決案の提示があった。
第3回期日において、相手方の代表者から事情を聴取したところ、今後は探偵業を行わず、月額15万~20万円の職に就く予定であるが、他にも負債があり、家族を養わなければならない事情もあるため毎月2万~3万円の返金しか対応できないとのことであった。
仲介委員が、当事者双方と和解金額、支払方法、和解条件を調整したところ、相手方が申請人に対して、本件和解金として、72万4,500円の支払義務があることを認め、このうち30万円を返金(毎月末日限り、各金3万円ずつ分割払い)すること、相手方が期限の利益を失うことなく30万円を支払った場合は、申請人は、相手方に対して、残金42万4,500円の支払義務を免除すること、各金3万円ずつ分割払いを2回分以上怠ったときには、当然に期限の利益を喪失すること、その場合、72万4,500円から既払金を控除した残金及びこれに対する期限の利益を喪失した日の翌日から支払済みに至るまで年10%の割合による遅延損害金を支払うことを内容とする和解が成立した。
ところが、和解成立後、相手方が和解内容を履行せず、分割金3万円が一度も支払われることは無く、分割金を2回分以上怠ったため、相手方は期限の利益を喪失し、72万4,500円及びこれに対する期限の利益を喪失した日の翌日から支払済みに至るまで年10%の割合による遅延損害金を支払う義務が発生した。そのため、独立行政法人国民生活センター法第37条の規定に基づき、義務履行の勧告を実施し、「義務履行勧告書」を送付したが、相手方に到達しなかった。

探偵L

本件は詐欺被害の解決・返金を目的として、探偵事務所・興信所では認められていないA社に対する返金交渉業務を依頼した際の解約トラブルです。 文中には社名が記載されているため、「〇〇〇〇〇」の伏字としました。

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