探偵興信所の探偵調査に係る契約の解約に関する紛争

探偵事務所・興信所などの探偵・調査業に各種調査を依頼してからトラブルとなり、国民生活センターへ相談しているケースがあります。 ここでは、過去の「探偵調査に係る契約の解約に関する紛争」を抜粋してご紹介します。

【事案4】探偵調査に係る契約の解約に関する紛争(17)

1.当事者の主張

<申請人の主張の要旨>

平成27年9月、相手方調査会社から電話があり、過去に金の先物取引で200万~300万円の損をしたことについて、元役員は現在も財産を持っているので、裁判を起こせば役員個人からお金を取り戻せると言われた。後日、パンフレットや契約書類、先物取引業者に関する裁判記録などが届き、信用できる企業だと思ったので、10月に喫茶店で相手方調査会社と面談し、10万8,000円で調査委任契約を締結した。
その後、調査報告書が届いたものの特段説明はなく、11月に再度、相手方調査会社と喫茶店で面談したところ、追加調査に37万8,000円が必要と言われたため、相手方カード会社②のクレジットカード(リボ払い)で10万円、現金で17万8,000円を支払った。
12月にも相手方調査会社から電話があり、喫茶店で面談したところ、先物取引会社は大物がバックにおり、付き合いのある弁護士に頼めば720万円を取り戻せると言われ、金額に違和感はあったが、実は先物取引で利益が出ていたのだと思い、相手方カード会社①のクレジットカード(リボ払い)で30万円、前月の未払い分を現金で10万円を支払った。
その後、調査報告書も送られてこないため、何度か進展状況を問い合わせていた。平成28年7月、相手方調査会社から電話があり、訴訟を起こすため84万円が必要と言われた。これ以上支払えないため、やめる旨を伝えたところ、後日「調査終了和解合意書」が送付されてきた。
お金を払えば調査して、付き合いのある弁護士が裁判を起こしてお金を取り戻してくれると信じていたのに、報告書もなく、次々と請求されるばかりであった。契約をなかったことにして、既に支払った78万6,000円を返してほしい。

<相手方調査会社の主張の要旨>

和解の仲介の手続に協力する意思がある。 申請人の請求を認めない。
申請人に勧誘電話をかけたのは間違いないが、迷惑な勧誘電話はないかという趣旨のテレアポであり、過去に先物取引で損失を出したことは、その時に申請人から初めて聞いた。 当社は調査会社であり、債権回収はできないと説明したが、弁護士に依頼するにあたっての資料作成に興味があるとのことだったので依頼を受け、他の調査案件で保有していた当該先物取引会社の資料を契約書類と一緒に申請人に送付した。 契約書にも企業・対象者調査委任契約と記されているため、返金回収業務を行うことは事実不可能であり、訴訟して取り戻す旨の案内をした事実もない。金額を具体的に断定することもない。
なお、調査終了和解合意書については、申請人が損失を出した経緯の取りまとめを行うかどうか確認したところ、作業の委任がなかったため、作業を終了することを協議の上決定した次第である。 申請人から報告書は都度の提出ではなくまとめて提出するよう指示があったので、現時点で未提出のものも存在する。作業を行っている以上、契約をなかったとすることはできないため、話し合いの中で説明してご理解いただきたい。

<相手方カード会社①の主張の要旨>

和解の仲介の手続に協力する意思がある。
相手方調査会社は当社の加盟店ではなく、本申請に先立って申請人より「支払停止の抗弁」を受領したため、加盟店契約会社(アクワイアラー)に対して事実確認(カード決済代金の対価提供の有無)および対価提供がない場合の決済代金返金依頼(チャージバック)を実施している。 平成27年12月に当社のクレジットカードで30万円を決済し、信用販売を承認していることは認めるが、その他については事実確認結果を待って回答したい。

<相手方カード会社②の主張の要旨>

和解の仲介の手続に協力する意思がある。 申請人の請求を認めない。 申請の経緯については不知。
申請人の申し立てを受け、支払い停止の抗弁接続の確認のため、いったん請求を停止するが、既払い金の返還については応じる根拠がないため行わない。 既払い金の返還に係る問題は、売買契約の当事者である相手方調査会社との間で解決すべきである。

2.手続の経過と結果(和解)

第1回期日で仲介委員は、相手方調査会社に対し、取締役の責任を追及できる期間が既に終了している中で元役員の自宅を調査するなど、相手方調査会社からの勧誘行為なしに申請人の意思で調査内容を指示することは到底考えられないと指摘した。先物取引での損失額を考えれば調査費用があまりに高額であることも踏まえると、錯誤、不実告知、不法行為が疑われるとの見解を示した。さらに、11月および12月の追加契約については報告書も提出されていないため対価関係が発生しないこと、契約書面は支払い条件が協議により決定として特定されていないため特定商取引法4条の条件を満たしておらず、クーリング・オフできる可能性があることも指摘した。

第2回期日で相手方調査会社は、特定商取引法4条の支払い条件について、クレジットカード決済の場合、利用者とクレジットカード会社とのやりとりで事後に支払い方法が変更される可能性もあるため、確認して書面に記載することは不可能であり、本件では申請人からクレジットカードで支払う旨の付随書類も受領しており、理解した上で履行されていると主張した。 ただ、当該契約書面が特商法の要件を満たさないということが仲介委員の結論であれば解約には応じるが、返金額については協議・調整したいと述べた。
相手方カード会社①は、チャージバック申請の結果について、相手方調査会社から契約書面上は「調査期間、結果報告の期限を変更する場合がある」との記載があるため、現時点で報告書を提出していないことは遅延ではない等の回答があり、不成立になったと述べた。ただ、契約書では期間の変更についてはあらかじめ申請人に通知して協議することとなっているのに、申請人が変更を認めたわけではなく、申請人は報告書も不要とのことだったので、2回目のチャージバック申請を行っているとのことであった。
一方、申請人は、最初に支払った10万8,000円については和解のため諦めるが、残りの67万8,000円については返金してほしいと述べた。
第3回期日で相手方カード会社①(利用額30万円)は、アクワイアラーとの間でチャージバックが成立したため、申請人には未払い分を請求せず、既払い分については全額返金すると述べた。相手方カード会社②(利用額10万円)は、アクワイアラーに対してチャージバックを申請すると述べた。
相手方調査会社は、社内で検討した結果、契約金額78万6,000円のうち、35万円を3万円ずつの分割払いで返金する予定であったが、アクワイアラーがカード会社に返金処理を行うことになり、当社に返還請求が来ているため、二重払いになってしまうと述べた。
これに対し仲介委員より、相手方調査会社の提案は申請人の意向とかけ離れており、和解の成立が困難であるため、11月および12月の追加契約については報告書も提出されていないことを踏まえ、契約金額78万6,000円のうち67万8,000円の返金を再検討するよう求めた。
第4回期日で相手方調査会社は、(1)チャージバックの成立していない相手方カード会社②(利用額10万円)に対しては申請人が責任を持って支払うことを条件に、月々2万3,000円ずつ10回払いで23万円を返金するか、(2)相手方カード会社②(利用額10万円)に対しては相手方調査会社から返金処理を行ったうえで、現金部分を月々1万円ずつ10回払いで10万円を返金するかのどちらかで和解したいと述べた。
申請人は当該金額では納得せず、一括払いを希望した。このため、仲介委員は、相手方カード会社②のチャージバック申請の結果を踏まえた上で再度協議することとし、相手方調査会社に対しても歩み寄りを求めた。
後日、相手方カード会社②より、アクワイアラーが相手方調査会社との加盟店契約を解除したため、チャージバックは不成立になったとの報告を受けた。
第5回期日で相手方調査会社は、相手方カード会社②(利用額10万円)のチャージバックがなされないことを前提に、チャージバックが成立した相手方カード会社①の利用額30万円を控除した48万6,000円について、そのうちの30万円を月々1万5,000円ずつ20回払いで支払う旨の内容で和解したいと述べた。
この和解案に申請人が応じたため、申請人はチャージバックが成立して既に返金処理がなされている相手方カード会社①に対する申請を取り下げる一方、相手方調査会社は申請人に30万円を分割で支払い、チャージバックの成立した30万円についても請求しないとする内容で、和解が成立した。
なお、相手方調査会社の資力状況から長期の分割支払となったため、履行を確保できるように、相手方調査会社が支払義務を負う解決金の額を48万6,000円としたうえで 30万円を期限の利益を喪失せずに支払った場合はその余を免除することとし、また1回でも支払いを怠った場合(但し2営業日を経過した場合)には期限の利益を喪失する条項とした。

探偵L

本件は過去にあった金の先物取引トラブルの解決を目的として、探偵事務所・興信所では認められていない先物取引会社元役員に対する返金交渉業務を依頼した際の解約トラブルです。

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