ストーカー規制法に盲点があるかラブ探偵事務所が解説

過去に探偵事務所・興信所などの探偵業者にも関連する事件を抜粋して「探偵の事件簿」としてご紹介します。

探偵B

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現在までに3回の改正をされているストーカー規制法に盲点があったのでしょうか。
2023年6月29日(木曜日)午前10時15分頃、神奈川県横浜市鶴見区のマンション敷地内で女子大生が刺殺される事件が発生しました。
殺人容疑で逮捕されたのは神奈川県横浜市鶴見区に居住する自称会社員の元交際相手であり、「復縁を迫るために脅そうと思った」との供述をしているとされています。

この事件の発生前から女子大学生は、神奈川県警や友人らに複数回に渡って交際相手からの暴力いわゆる「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」があったという相談をしていますが、交際期間中や破局した直後という関係であったためなのかストーカー行為・つきまといなどを規制する「ストーカー規制法」は適用されませんでした。

ストーカー規制法とは?

2023年06月30日に被害者女性の遺族が下記のようなコメントを発表しています。
※プライバシー保護の観点から個人情報は変更しています。

2023年06月30日 TBS NEWS DIG

【全文】横浜の女子大生殺害事件 女子大生の遺族がコメント発表

横浜市のマンションで女子大生が元交際相手に殺害された事件で、遺族がコメントを発表しました。以下、全文を掲載します。

犯人はなぜ娘の命を奪ったのか
こんなひどい方法を選んだのは何故なのか

仕方のないことかもしれないけれど4回警察に相談しても有益なアドバイスをもらえなかったこと
助けてはもらえなかったこと

誤った情報がまことしやかに報道されていること
悪意のある情報操作

私たちの住まいはもちろんのこと さなの祖父宅にまで押しかける報道陣のモラルのなさ

この全てのことに疑問悲しみ憤りがあります

でも1番許せないのは私たち親がまぬけだったこと

さなを守れなかった

理解し難い彼の娘への執着 度を越す愛情表現 監視し制限することにさえ そうしてしまう気持ちに寄り添う努力をしながら何度も話し合ったことは無駄だった
犯人にわかってもらおうなんて無理なことだったのにそれをわかっていなかった

悠長なことを伝えてる場合ではなかった

家に入ってきたのがわかった時に躊躇なくすぐに通報すべきだった
彼の人生のことを何故考えたのだろう 逮捕されたら可哀想だなんて何故思ってしまったのだろう
甘かった 伝わらない 身勝手な解釈しかできない相手だったのに

激痛と恐怖
さながこの先得られたであろう幸せを一瞬にして奪われた 無念でしかない

これが夢だったら
時間が戻せたら

引越ししていたら
ボディガードをつけていたら
危険な状況なことをもっとしっかりと理解していたら

いっときも目を離してはいけなかった
私たちの認識の甘さ
すぐに通報していたらこんなことにはなっていなかったのだろうか

後悔ばかりが押し寄せてきます

あの子がくすっと照れた笑顔で「ママ」って呼ぶことはもう2度とない

気持ちの整理がつかず悲しみに暮れています

好奇心を満たすための憶測や誤った情報で娘をこれ以上傷つけないでください
どうかそっとしておいてください
お願いします

ストーカー規制法の第三条

改正ストーカー規制法の第三条をラブ探偵事務所が解説

ストーカー規制法の第三条では下記のように定められています。

ストーカー規制法 第三条

つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして不安を覚えさせることの禁止
何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。

法律では婚姻関係にある夫婦や交際中の異性でなければ、ストーカー規制法が適用できないという記載はありません。
「何人も」という表現をしているので被害者と加害者の関係性は重要ではなく、誰であってもストーカー行為・つきまといなどを行った場合にはストーカー規制法による規制の対象となるということです。

ストーカー規制法は乱用できない

千葉県松戸のラブ探偵事務所がストーカー規制法を解説

ここまでの話を聞くと、誰であってもストーカー行為・つきまといなどを行った場合にはストーカー規制法による規制の対象となるのに「何故警察がストーカー規制法をすぐに適用しないのか?」という矛盾が出てきます。

現実的に警察は民事に関して不介入となっているので、実被害が無ければ刑事事件として動くことができません。
また警察の現場でも探偵業の行う浮気調査や素行調査のように10件あれば10種類のケースがあります。

ストーカー行為・つきまといなどは、何処までを「喧嘩とするのか?」、また何処から「ストーカー行為・つきまとい行為とするのか?」など、相談内容に応じて慎重にその線引きを判断しなければならないのも事実であり、非常に難しいのも問題だと思います。

例えば夫婦であれば「別居や離婚をしてからの行為」、交際相手などであれば「別れてからの行為」であれば、ストーカー規制法による規制の対象となるでしょう。
しかし婚姻中や交際中はすぐにストーカー規制法を適用しても、後になって「ただの痴話喧嘩だった」「もう仲直りをした」「既に和解をした」などの曖昧な理由で被害者の気持ちが変わってしまうことも考えられるからです。

警察は1つ1つの問題に対して慎重に判断しなければならないため、ストーカー規制法を適用しないのではなく、冤罪防止の観点からもストーカー規制法を乱用できないと言った方が正しいかもしれません。

重大事件とストーカー規制法の改正

千葉県松戸のラブ探偵事務所がストーカー重大事件を解説

ストーカー規制法のきっかけとなった1999年の「桶川ストーカー殺人事件」から23年。数々の重大ストーカー事件が発生する度に法改正がされています。
しかし法改正はその当時の現行のストーカー規制法では取り締まれない予測を超えて盲点を突いた重大事件が発生した後であり、実被害があってからとなっているのが現状です。

過去のストーカー重大事件簿

現行の「改正ストーカー規制法」となるまでに3度の法改正を経ています。
今後もその時代に合わせてストーカー規制法は改正を繰り返していくでしょう。

探偵B

今回のような悲しい事件が二度と起こらないためにも、時代に見合った規制に漏れが無い法改正をして欲しいと切に願います。

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