探偵の別れさせ工作は適法・自由意思で食事のみ・大阪

過去の探偵の法律関連ニュースを抜粋してご紹介します。

2018年8月30日 日本経済新聞

探偵の別れさせ工作は適法 自由意思で食事のみ、大阪

探偵業者が恋人間の交際を終わらせようと仕向ける「別れさせ工作」が、公序良俗に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪地裁(山地修裁判長)は29日、今回のケースでは「接触の方法は男女での食事にとどまり、自由な意思決定で行われた」とし、違反には当たらないと判断した。
探偵業者に報酬の未払い分70万円を支払うよう依頼人に命じた一審大阪簡裁判決を支持、依頼人側の控訴を棄却した。こうしたビジネスの是非に関する言及はなかった。
判決などによると、元恋人の女性との復縁を望む男性依頼人が2016年4月、大阪市の探偵業者に約130万円で工作を依頼。業者は関係者全員が独身であることを確認し、女性工作員を元恋人女性の交際男性に接触させ、連絡先を交換。男性の誘いで食事を重ねた。
約1カ月後、元恋人女性と一緒にいた男性に工作員が声をかけ、男性の二股交際を暴露。その後2人は別れた。
目的を達成した後、依頼人と連絡がなかなか取れなくなり成功報酬を支払わないため、同年12月、業者が未払い分70万円の支払いを求め提訴した。訴訟で依頼人は、性的関係もいとわない行き過ぎた工作で契約は無効と反論した。
山地裁判長は判決理由で、性的関係の事実はなく、「接触は人倫に反し、人格や尊厳を傷つける方法ではなく、公序良俗に反するとまでは言えない」と結論付けた。
別れさせ工作を巡っては、探偵の業界団体が「調査手法が法に抵触し、依頼人も処罰対象になる可能性がある」と自主規制する動きもある。〔共同〕

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